こんにちは。赤羽ハート内科クリニック院長の古谷野です。
長引く咳でお悩みではありませんか?「風邪が治ったはずなのに咳だけが続く」「夜になると咳が止まらない」「周りに迷惑をかけるのが心配」など、咳の症状は日常生活に大きな影響を与えます。
長引く咳とは - あなたの症状はどのタイプ?
咳の持続期間によって次のように分類されています:
- 急性咳嗽:3週間未満の咳
- 遷延性咳嗽:3週間以上8週間未満続く咳
- 慢性咳嗽:8週間以上続く咳
風邪やインフルエンザの咳は通常1〜2週間で治まりますが、3週間以上続く場合は「遷延性咳嗽」として、しっかりとした原因調査が必要です。
長引く咳の主な5つの原因
1. 感染後咳嗽 - 風邪が治っても咳だけが残る
風邪やインフルエンザが治った後も、気道の過敏性が高まって咳だけが続くことがあります。発熱や体のだるさは治まっているのに、咳だけが長引くのが特徴です。
2. 咳喘息 - 息苦しさはないけれど咳が止まらない
通常の喘息と違い、「ゼーゼー・ヒューヒュー」という音や息苦しさがなく、咳のみが症状として現れます。特に夜間や早朝、運動後に悪化することが多いです。気管支拡張薬が有効であることが特徴で、診断基準にもなっています。適切な治療を怠ると30-40%の患者さんが気管支喘息へ進行する可能性があるため、適切かつ十分な治療が必要です。
3. アトピー咳嗽 - アレルギー性の咳
アレルギー体質の方に見られる咳で、花粉症や皮膚のアトピーなど他のアレルギー症状を持つ方に多いです。気管支拡張薬が効きにくい点が咳喘息との違いです。
4. 逆流性食道炎 - 胃酸が気道を刺激
胃酸が食道に逆流し、それが気道まで達することで咳を引き起こします。胸やけや酸っぱいものが込み上げる感覚を伴うことがありますが、咳だけが唯一の症状のこともあります。夜間に横になると悪化することが多いです。
5. 副鼻腔気管支症候群 - 鼻からのどへ垂れる分泌物が原因
蓄膿症などの副鼻腔炎が原因で、鼻水が喉の奥へ流れ落ち(後鼻漏)、それが咳を誘発します。鼻づまりや鼻水などの症状も一緒に現れることが多く、痰がからむ咳になりやすいです。
当クリニックでの長引く咳への取り組み
当クリニックでは、以下のような特徴的なアプローチで、患者さん一人ひとりの咳の原因を突き止め、効果的な治療を提供しています。
詳細な問診と検査による正確な診断
- 咳の性質(乾いた咳か、痰のからむ咳か)
- 咳が出やすい時間帯や状況
- アレルギー歴や胃の不調の有無
- 胸部レントゲン、血液検査などの基本検査
- 精密検査(胸部CT検査、呼吸機能検査、気道過敏性試験など)が必要と判断した場合には高度医療機関に紹介
原因に合わせた最適な治療プラン
- 感染後咳嗽:症状に応じた咳止め薬の処方と、必要な場合は吸入ステロイド薬による治療
- 咳喘息:吸入ステロイド薬や気管支拡張薬による症状コントロール(長期的な治療が必要)
- アトピー咳嗽:抗アレルギー薬を用いた治療
- 逆流性食道炎:生活習慣のアドバイスと胃酸分泌を抑える薬による治療
- 副鼻腔気管支症候群:抗菌薬や点鼻薬による治療、必要に応じて耳鼻科との連携
患者さんに寄り添った継続的なケア
- 治療効果のこまめな確認と薬の調整
- 症状日記の活用による治療効果の評価
- 生活習慣のアドバイス(咳を悪化させる要因を避ける方法など)
- 必要に応じた他科との連携(耳鼻科、消化器内科など)
患者さんからよくある質問
Q: 長引く咳は自然に治りますか?
A: 感染後咳嗽は自然に治ることもありますが、他の原因による咳は適切な治療がないと長期化することがあります。3週間以上続く咳は専門医への相談をおすすめします。
Q: 市販の咳止め薬ではダメですか?
A: 市販薬は一時的に症状を和らげることはできますが、根本的な原因治療にはなりません。長引く咳の場合は、原因を特定して適切な治療を行うことが重要です。
Q: 咳喘息は通常の喘息に進行しますか?
A: 放置すると30-40%の方が喘息に移行すると言われています。早期の適切な治療で予防できる可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。
長引く咳でお悩みなら、お早めにご相談ください
「ただの風邪の名残り」と思って我慢していませんか?3週間以上続く咳は、何らかの原因がある可能性が高いです。当クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状に合わせた診断と治療を行い、つらい咳からの解放をサポートします。
咳の症状でお困りの方は、お気軽に当クリニックまでご予約・ご相談ください。あなたの生活の質を高め、安心して過ごせるよう全力でサポートいたします。